ベンチャ精神を我らの手に! 奮い立たせよ 我らの魂を!! ― 時代の閉塞感を打破し、明るい未来を勝ち取るために ―

 閉塞感漂う幕末から時代が明治へと大きく転換するや否や、『殖産興業』政策による鉄道開業や官営製糸所・製鉄所が設立されるのと期を同じくして、多くの経済人・実業家が“高い志と使命感”を持って起業して日本の近代化に大きく貢献したのです。
 第一銀行の設立をはじめ500社もの会社の設立・経営に関与し、日本商工会議所の母体を作った渋沢栄一、金融業を天職と定め、鉄道敷設、ホテル設立や電力会社経営に参画するなど国家運営にも深く関わった安田善次郎、西洋式文物に埋め尽くされた日本を憂い、国産技術によって電気機械を創ることを志した日立製作所創業者小平浪平など、志と スケールの大きさはただただ敬服、尊敬するばかりです。

 大変ユニークな発想と勤勉第一主義を貫いた浅野総一郎もビジネスモデルを考える上で学ぶべき点が多いと思います。廃物として邪魔者扱いされていたガス灯用のガスを取った後のコークスを安く購入し、セメント工場へ燃料として納入することによって莫大な利益を得る。また、コールタールは京浜地方に発生していたコレラの消毒薬の原料として売込み、これも商売として成功させたのです。次に国土建設の資材としてセメントが重要になると着目し、官営のセメント工場の払い下げを受け 浅野セメントを設立。これらで得た利益を京浜地区の埋立工事に投じ、京浜工業地帯を形造った立役者でもあります。勿論、浅野製鐵所・浅野造船所(後の日本鋼管)、東洋汽船など数々の会社を設立しました。南武線、鶴見線などの敷設にも貢献しています。

 2008年2月のメルマガ巻頭言で『東京では水を売ってでも生活できる―ビジネスの原点―』と題して、私が小学3年生の時に担任から聞いたエピソードからビジネスを考える上での原点について書きました。  話を要約すれば、『地方から上京した兄弟がいて、兄貴は“東京では水も買わなければ生活できない”と漏らし、弟は“東京では水を売ってでも生活できる”と言いました。弟のような視点や発想がビジネスの原点になる』という主旨です。  
 “あったらいいな!”をカタチにする姿勢、こんな機能があったらお客様に喜んでもらえるのではないか? この不便を解決するにはこうすれば良いのではないか!と常に改善・改良する意識が『発明や新製品』を産み出す原点になります。
 ビジネスの原点は、お客様(企業、組織・団体、個人など)が欲すると思われる機能やサービスをいち早く編み出し、売値を下回るコストで製造・提供することによって利益を得るところにあります。需要を探り当て、最適な手段で循環的に提供し、利益を産み出すサイクルのことをビジネスモデルと言います。
 現在の日本社会は高度に成熟していますので、明治の先人・賢人たちが 次から次へと面白いように新しいビジネスを創造し、投資をして、多くの利益を上げたような訳にはいきませんが、前述の“東京では水を売ってでも生活できる”という視点や発想で考え続ければ、必ず新しいビジネスが編み出せるのです。

 当グループ、特にIT働楽研究所では今年度から若干ですが研究開発予算を付けるようにしましたし、新しい技術を用いたソリューションを開発しています。AR(Augmented Reality 拡張現実)技術によるPR・広告サービス、カラーバーコード技術による現状のバーコードの限界を超えた流通の高度化などは先頭集団にいる訳ですから、他社よりも機能、性能、操作性、提供時期など何らかの要素でリードする意識が必要です。そしてこれらを当グループの次のビジネスにするという気概と使命感を持って取り組んで欲しいものです。
 いきいきメディケアサポートが提供しているサービスも先頭集団の中にある訳ですから、お客様へのメリット最大化の観点で他社をリードして、知名度を上げて、売り上げを伸ばし、これをまた次の開発原資にして拡大発展を続けるビジネスモデルに成長させて欲しいと願っています。ヘルスケア・医療分野におけるIT技術はもっと進化していかなければなりません。そのような意味では未開地ですので、次々とヒットが飛ばせる分野です。

 当グループも 2013年度を海外事業元年と位置付けて、海外事業のビジネスモデルを経営企画本部を中心に検討中です。8月後半には東南アジアに出掛けて現地での市場調査も実施することにしています。この地域は発展性・成長性は非常に大きく、明治の先人達が味わったようなベンチャ精神を大いに発揮できるところです。海外で大きく羽ばたきたいという方が沢山 名乗りを挙げて欲しいと願っています。

 閉塞感の漂う時代背景にありますが、これを打破するんだという魂を奮い立たせて、未来に向かって前進していきましょう。『成功するまで諦めない』が働楽グループのDNA! 当グループ全体にベンチャ精神をみなぎらせて、世の中のニーズの変化を敏感に察知し、先進技術を駆使して社会の役に立つサービスを提供し続ける会社にしましょう。  明るい未来を勝ち取るために!

2013年6月