人はなぜ“やる気”になるのか  (「ビジネス教養としての心理学入門」榎本博明著より)

 IT働楽研究所グループの代表者として、社内外の様々な問題や課題に日々対処する必要がありますが、どんな問題であろうと、私は『うわっ 困った! 大変だ どうしよう?!』などとうろたえたり、沈み込んだりすることはありません。“必ず解決策が見出せる! 自分に解決できない問題があるはずがない”という信念のようなものがあって、次の瞬間には『問題の本質はどこにありそうで、どのような対処策が考えられるか?』という方向に頭が動きます。『起こってしまったものはしょうがない、総力を挙げて最善の努力をするのみ』というふうに次の行動に移ります。
 なぜ そうできるか?自分なりに分析すると、一つ目は“会社を絶対守らなければならない、良い方向へ向かわせなければいけない、お客様への迷惑を最小にしなければいけない”という『責任感や義務感』が本能的に前向きの行動に移らせていること、二つ目は“沢山の苦労と様々な経験”を積み重ねてきたので、沢山の“引出し”がパッと開いてアイディが浮かび上がってきて 問題と格闘すれば必ず解決できるという信念があること、そして何よりも“仕事が好き”で、逃げることが嫌い、火中の栗だってあえて拾うくらいの好奇心とチャレンジ精神が旺盛、ということだと思っています。
 調子に乗っていろいろ書いてしまいましたが、著者が分析されている「人はなぜ“やる気”になるのか」などについて題記図書から幾つか引用して、一緒に学んでみたいと思います。

■ 人はなぜ“やる気”になるのか
 仕事が楽しいという人がうらやましい。これは多くのビジネスパーソンの本音だろう。ではあなたはなぜ仕事をするのですか。『食べていくためには稼がないといけない』 『マイホームを手に入るため』・・・と似たような理由をあげる人が多い。 この場合、仕事に対する“やる気”は仕事以外の他者から与えられる金銭、地位、評価といった「外的報酬」が動機となっている。
 一方、『前よりも力が付いていると実感できるのがうれしい』 『仕事はきついし、ストレスもたまるけど、達成感がなんともいえない』・・・というように充実感、達成感、好奇心といった「内的報酬」が動機となって頑張る人がいる。
 なぜ多くの人にとって仕事が楽しくないか? それは外的報酬によって仕事をするからだ。給料や昇進といった外的報酬を意識しすぎると、仕事は外的報酬を得るための単なる手段になってしまう。その結果、仕事のやりがいや達成感、充実感からくる喜びがどんどん奪われていく。 逆に、内的報酬に重きを置くことで、仕事に対する“やる気”が増し、喜びやおもしろみ、楽しみが広がる。

■ ポジティブな原因認知でやる気アップ
 失敗の原因を何に求めるか。人のせいにする人、環境のせいにする人より、自分のせいにする人の方が成果を上げている。 努力不足やスキル不足などを認識すれば、「もう少し頑張れば上手くいくかも知れない」「スキルを磨けば成果を上げられるはず」などというように、前向きの展望が開けてくるためやる気が高まる。困難な状況でもへこたれずにモチベーションを維持することができ、さらに「何とかなるはず」とやる気が高まり、潜在能力が引き出されていく。

■ 「前向きに悩む力」を身に付ける
 思い通りにならないこと、イヤな目にあったときなど、「もうイヤだ!やってられない」などと感情的に反応して嘆いていると、気分は落込みやる気がなくなってしまう。
 前向きの人は「さて、どうすればいいんだろう」「何がいけなかったのか」というように、現状を冷静に判断し、どうしたらよい方向に持っていけるかを検討する。「前向きに悩む力」を身に付けることによって、現状を乗り越えていく可能性が広がる。逆境をエネルギ源に変え、ピンチをチャンスに変えることができる。また、やる気のある人ほど高い水準に目標を設定し、自己の限界に挑戦することによってさらに成長できる。

 大変厳しい世の中ですが、IT働楽研究所グループの皆さんが『人にできることが自分にできない訳がない』という強い気持ちをもって、ポジティブに発想することによって、自分のやる気をアップさせ、潜在能力を引き出し、さらに大きく成長されることを願っています。 (題記図書を是非、一読下さることをお薦めします。)
2011年10月