『川上に舵を切れ! 目指すは需要の源流!!』
―2021年度をマーケット・クリエーション元年と位置付けて、新入社員と共に頑張りましょう ―

 1970年代の日本経済は絶好調で、テレビ・洗濯機・冷蔵庫は欲しいものの象徴として“三種の神器”と呼ばれ、作れば飛ぶように売れた時代でした。技術力は飛躍的に進歩し、次から次へと新たな製品を産み出し、機能の先進性と品質の良さで日本製品は国内外の市場を席巻しました。このような成功体験から、良いものを作れば売れるという“プロダクトアウト”の意識が支配していました。

 ところが生活が豊かになり、長く使える製品、すなわち耐久財などは充足してきて“良いものを作れば売れる”という神話が通じなくなりました。これまでのプロダクトアウトの意識を戒めて“マーケットイン”の発想の重要性が叫ばれるようになりました。マーケット起点で製品やサービスを開発しようという考え方です。ニーズを的確に捉えた製品でないと在庫の山ができて業績を悪化させかねないので、非常に大事な考え方です。時代がもっと進んだ今は物があふれていて、欲しいものが少ない時代ですから、技術先行、手段先行の意識を排除して、マーケットインの意識を徹底しなければならないことは言うまでもありません。

 経営学の神様と呼ばれるドラッカーは“企業の目的は顧客の創造である”と述べていますが、この言葉はマーケットインをさらに超えた深い意味、すなわち表題に掲げた“マーケット・クリエーション”の意味をも含んでいると解釈するとドラッカーのすごさが分かります。

 マーケットインはあらかじめ狙うマーケットを想定して、ニーズや他社動向などを分析し、勝てる商品を提供しようとするのに対して、“マーケット・クリエーション”は未だ多くの人が気付いていない潜在ニーズを掘り起こして新たなマーケットの創造、すなわち新たな顧客を創造することを意味しています。
これが実現できれば、圧倒的優位に立ち、大きな成果を手にすることができるのです。

 タイトルに掲げました“目指すは需要の源流”とは、マーケットインの考え方を基本とし、さらには潜在需要を掘り起こして新たなマーケットを創造しようと言うものです。2021年度をマーケット・クリエーション元年と位置付け、マーケットと対話し、顧客と目指すゴールを共有し、ゴールへの到達実現プロセスと成果を分ち合うことになり、これがビジネスの醍醐味であり、神髄です。

 当グループのビジネスもすでに需要の源流域に辿り着いた『いきいき訪看』サービスなどがありますが、自信と誇りをもってさらに磨きを掛けで規模を拡大させることが重要です。

 その他にも自社サービス・自社ソリューションを開発する動きもあり、「自社サービス、自社ソリューションを確立」する機運をみなぎらせて、みんなで需要の源流に辿り着く“マーケット・クリエーション”の楽しい旅に出ましょう。

 今日4月1日は2021年の新年度のスタートを飾るにふさわしいイベントが目白押しです。IT働楽研究所と富士ソフト技研が統合してより大きな技術者集団としての新生IT働楽研究所としてスタートします。業界においても一段と存在感を増す会社となります。

 昨年度は大変厳しいコロナ禍の中で皆さんが一致団結して頑張って戴いた結果、3年連続で増収・増益を達成することができ、大変ありがとうございました。2021年度も10%以上の成長を目指した業績予算を掲げてスタートしました。全員で予算を達成して、証券市場への上場を目指しましょう。

 そして今日、新たに16名の方が当グループに入社されました。特に新卒の15名の方はコロナ禍の困難な環境の中で勉学に励まれ、めでたく入社をされた強者です。総勢300名の全社員がベクトルを合わせ、マーケットイン、マーケット・クリエーションの意識を強く持って、力強く前進して参りましょう。

 2021年度が社員の皆様とご家族にとって実りの多い年になりますようお祈りします。

(社内報より)
2021年4月