企業成長のデス・バレー

 株式会社エル・シ・エーから送られてきたDNAreport07号に目を通していたら、『企業成長のデス・バレー』と題した記事が目に留まりました。以下にその一部を引用します。
 “成長を続けてきた企業がある一定規模になると急に収益性が鈍化し、「成長の踊り場」がやってくる。これをある人は「企業成長のデス・バレー(死の谷)」と表現している。そこに一歩足を踏み入れた者は、長く留まっているとやがて衰弱し、絶命するという死の谷である。”

 皆さん良くご存知の当社顧問税理士の近藤さんが同じようなことを当社の経営会議でよく忠告しされています。会社には“1億円の壁、3億円の壁・・・10億円の壁があって、多くの会社がその壁を越えられずにやがて倒産していくのですよ!組織作りが大事ですよ!リーダの育成が大事ですよ!”と沢山のアドバイスを戴いています。
 幸い当社には壁は存在しないかのごとくに極めて順調に来たかに見えます。しかし浮かれている場合ではありません。慢心があればそれは既に『死の谷』に落ち込んだと思わないといけないし、それに気付いて変革していかなければやがて倒産に至るということになるでしょう。

 前述のレポートに戻りますが、死の谷を越えて成長を続けるためには圧倒的な成長のエンジンがあれば良い、「その向こうには確かな売上と収益を確保できる豊かな緑地があるはずです」と。『ひとたび社員に経営方針や理念が浸透すれば、その企業は並々ならぬ力と柔軟性を発揮する』(盛田昭夫、ソニー創業者の一人)
 圧倒的な成長のエンジンとは“理念の浸透”と“ミドル層の成長”です。共通の理念、価値観、原則というベクトルを全員が共有した上で“その実現手段を、正しい考え方で、実行してもらうこと”が重要とアドバイスしています。
 当社でいいますと第一段目のエンジン役は社長が務めてきました。幸いにも良いお客様と良い社員に恵まれてよい実績を挙げることができたと思います。
 そして、第二段目のエンジン役はマネージャやリーダクラスの方々に担って戴きたいと思っています。数十名の マネージャ・リーダ全員がエンジン全開で、“理念の浸透を図り、熱き思いで業務に邁進”して戴ければ圧倒的な成長のエンジンになって戴けると思います。さらに続く将来のリーダも含めて、エンジニアリング会社の実現、海外での事業展開など間違いなく近いうちに達成できるでしょう。
 その何年か先を考えますと、さらに数百名を越える次の世代の方々がマネージャやリーダとして加わり、第三段目のエンジンとなって戴けることでしょう。日本だけでなく世界にも貢献する企業として進化を遂げているかも知れません。

 ところで根本となる理念をおさらいしておきたいと思います。  当社の基本理念は“お客様満足実現のため、謙虚で誠意ある行動と高い技術力をもって質の高いサービスを提供する”ことです。お客様から信頼を戴いて持続的な成長・発展を許される方法は、誠意をもって良い仕事をさせて戴く、これしかありません。 一人ひとりは良い仕事をする中で人間として成長し、お客様から感謝され、充実感・達成感、使命感などを持つことが出来るのではないでしょうか。
 IT働楽研究所魂と称して『会社も社員も“一流の技術者/ビジネスマンを目指す気概”をもって課題をやり遂げる』ことが当社の行動原理でもあります。
 今年のスローガンとして、『活力と連帯感に満ちた強い会社の実現』を掲げましたが、これは、一人だけで頑張るにも限界があり、ときには気持ちが萎えてしまうようなこともあるでしょうから、組織化を推進し、チーム内で指導・相談し、協調し、強力なエンジンとしてこだまさせて欲しいからです。6月からはリーダ代表として課長クラスの方々にお集まり戴き、全社課長会議を実施することにしました。ミドル層の方々に第二のエンジン役を担って戴き、理念を体現して戴き、『活力と連帯感に満ちた強い会社の実現』する上で牽引役をお願いします。
 また、7月第二水曜日から毎月『帰社日』を設け、ゲームに興じるもよし、仲間と懇親を深め、ビジョンを語り、連帯感をさらに深めて戴くことを願っています。

2008年6月