東京では水を売ってでも生活できる ― ビジネスの原点 ―
兄弟二人が田舎からはるばる東京に出てきて暮らし始めました。兄は「東京では水も買わなければ生活できない」と漏らしました。弟は「東京では水を売ってでも生活できる」と言いました。皆さんにはこの兄弟の目の付けどころといいますか、視点が全く違うことにお気付きだと思います。
これは私が小学3年の時の担任、山口大学教育学部を卒業したばかりの血気盛んな若い先生から聞いた話です。このような話を何故小学生にされたのかは分かりませんが、私の郷里、山口県の片田舎では水はこんこんと湧いてきて只(ただ)で飲めるものと思っていましたので、長い間“東京は暮らしにくいところだなー”、としか思っていませんでした。
しかし、前述の弟の視点、着眼点がビジネスの原点そのものだと、最近つくづく思っています。
“あったらいいなをカタチにする”を合言葉にしている小林製薬という会社がありますが、この会社からは熱さまシート、のどぬーるなどアイディアあふれる製品が沢山出ています。創業120年を越えるこの会社はビジネスの基本姿勢が一貫していて、常に高収益をはじき出しています。
話は少し変わりますが、浅野セメント(後の日本セメント)や日本鋼管(現JFE)などを興した浅野財閥総帥である浅野総一郎もすごい視点とビジネスに対する執着心をもっています。石炭からガスを取った残りもの、ガス会社が廃物処理に困っていたコークスをセメント工場や製紙会社に燃料として売り巨万の富を得、コールタールで消毒薬を作り利益を上げています。
以上の話の中にビジネスの原点があると思いませんか。ビジネスを発展させるためには着眼が重要ですし、そしてそれを実現する執念が必要です。人が望むサービス/かゆいところに手が届くサービスを提供する姿勢がビジネス発展の原点です。
サブプライム問題が徐々に実体経済に影を落とし始めており、原材料高騰が製品価格上昇につながり、中国製食品の安全性問題までもが人々の気持ちを萎えさせています。
このようなときだからこそ頭を柔らかくして、目を凝らし、打開策を見出したいものです。世の中の雰囲気に飲み込まれることなく、逆境をバネにたくましく成長したいと考えております。全員営業の精神で、受注拡大全社運動を成功させたいと思っております。
当社もこの3月で設立5年を終え、4月からは6年目に入ります。今本社では2008年度予算を策定中ですが、6年目からの5年間を第二創業期と位置付け、『闘う技術屋集団、闘える技術屋集団』を 実現し、業界において一定の地歩を確立したいと思っております。お客様の期待に応え、仕事を通じて自分たちが成長させられ、そして社会に貢献し、尊敬される会社へと大きく成長したいものです。
知恵に富み、機動力があって足腰の強い潰れない会社を皆さんの叡智とパワーで実現したいと願っております。