社長の思い

『劣化する社会に立ち向かって進もう、活力と連帯感を持って!』

 劣化とは時間・環境・その他の条件が変化することによって、本来持っている機能や役割が失われることを意味します。同様に社会の劣化とは、社会を構成する人、家庭、学校、企業・団体、自治体・政府、様々な組織体が本来持つ生産的・協調的な機能や役割を損ない、時には足を引っ張り合い、攻撃的になり、安心・安全さえも脅かすようになることを言います。
 家族の絆は弱まり、育児や家庭教育がないがしろにされ、学校崩壊も言われて久しく、雇用の劣化が進み、政治は駆け引きと利害調整に終始し、経済は停滞するという傾向が顕著になっています。あらゆる場面で劣化が進んでいます。
 多くの若い方々は不幸にもずーっと右肩下がりの活力のない社会を生きてきたので、これが普通と思っているかも知れませんが、本当はこれではまずいのです。我々シニア世代が若いときの社会は明るく輝いていたし、未来に対して希望がありました。
 なぜ、そうなったのでしょうか。経済の停滞、国力の衰退が大きな要因になっていることも確かでしょう。これらは所得や雇用の減少、失業の増加などに繋がり、人々の生活に暗い影を落としています。グローバル化の波はビジネススタイルやルールの変更を迫り、価値観の変更をも求めることにもなります。しかし、これらがすべてではありませんし、そんなに単純な問題でもありません。また、外的要因のせいだけにするのは卑怯であり、責任逃れであり、なんの解決・改善にもなりません。

 日立製作所の川村会長は先日の日経新聞コラムで「楽な道はどこへ?」と題して次のように述べておられます。『国や企業が衰退する原因にはいろいろある。割合多いのは自己満足に陥る例であろう。自己満足状態の会社では、過去の成功商品に固執し、世界中の潜在顧客・新需要を開拓しようとせず、新商品の開発も遅く、発生リスクへの対応も鈍く、商品信頼性の維持も怠りがちだ。厳しい仕事を避けて通りがちになるのである。国や企業の存立が危うくなるのは、国民や企業が楽をして厳しい道の選択を避けたり後回しにしたりするときなのだ』と本質を言い当てておられます。
 劣化を防ぐには、建物であれば外壁を塗り替え、雨漏りを補修し、時には増築・内装一新など状況によって適切な処置をとります。企業や国も状況変化に応じて適切な対応・対策を講じなければならないのです。外的要因や人のせいにしていては何も解決されませんし、建設的なことは生まれません。
 我々働楽グループは、会社総会などで示した中長期の経営目標を達成するために、技術を磨き、自らを訓練し、お客様との信頼関係を更に深め、様々なアクションを起こしていかなければなりません。非常に高い目標で、厳しい道のりになると思いますが、『活力と連帯感』を強めてグループ一丸となって達成したいと思います。
 消費税増税法案が衆議院を通過し、2014年4月8%、2015年10月10%が現実のものとなりました。増税が及ぼす影響範囲、度合いなどを読み、考えられる対策を実行していかなければなりません。また円高は自動車各社の一層の海外生産移転に代表されるように製造業の更なる海外移転の進行を考慮に入れた対応も必要です。

 対応方針大略を整理すると、
①基幹事業であるSEサービス・受託開発分野では得意分野の洗練と顧客との信頼・絆強化作戦を粘り強く推進、
②成長が見込まれるヘルスケア・医療分野向けなどの新分野事業の強化・拡大、
③海外事業の本格化です。

 知恵を結集した戦略作り、若手もベテランもひたすら経験を積み上げ実務能力の向上、厳しい道のりを乗り切る活力と連帯感を高めることが重要です。 組織の劣化、社会の劣化を防ぐ最大の武器はこれらを食い止め、立向おうとする人間の心の強さだと思います。考え抜く力、やりぬく力、折れない心を持つことだと思います。『自分を信じ踏み出す胆力』(高杉晋作)を日々の業務を通じて、学習によって養って逞しくなること=活力を高めることが肝要です。そして喜び、楽しみ、苦しみを分かち合い、助け合う心=連帯感は大きな援軍となるでしょう。劣化する社会の中にあっても、迎合し堕することなく我々働楽グループ船団は力強く進んでいきましょう。そして時代の水先案内人となる気概を持って!

2012年6月