社長の思い

企業の競合力は従業員の動機の大きさで決まる カルロス・ゴーン(日産・ルノーCEO)

Myanmar-Fisherman

 少し前のことですが横浜の日産グローバル本社でゴーン氏のお話を直接お聞きする機会がありました。多くの聴衆を前に自信に満ちた語り口調で、日産リバイバルプランの成功を紐解きながら経営者に求められる資質、経営者としての哲学・覚悟などを明快に語って戴きました。質問に対しても言葉を操る魔術師のように、納得性のある的確な言葉を繰り出され、非常に感銘を受けました。懇親会では一転して、威厳の中にも柔和な笑顔で参会者との名刺交換、面談に応じられ、気さくで親しみの湧く人柄と対応は尊敬の念を抱かせると同時にファンにさせてしまうほどに人間的魅力を持った稀有の経営者だと感じています。

 さて、冒頭の動機という言葉を紐解きますと、『人が行動を引き起し、その行動に持続性を与える内的原因』とあります。ゴーン氏は“企業の競合力は従業員の動機の大きさで決まる”と折に触れお話しされていたようで、従業員の動機を非常に大事にされていることがうかがえます。
伝統ある日産を必ず再建してみせるというゴーン氏の熱い思い〔動機〕と、卓越した洞察力、リーダシップが成功の原動力であったことは言うまでもありません。エネルギッシュに社内・工場を回り、「日産を救うのは日産である」という全社員の心を掴む核心的なメッセージを発し、処方箋を繰り出しました。呼応するように若手社員の『会社を変えよう、日産を復活させようという機運』が醸成され、経営者の熱い思い〔動機〕と全社員の熱望〔動機〕がひとつに重なり合って、日産リバイバルプランが書き上げられ、一丸となって再建に取組んだ結果が想像以上の成果となったのです。 そして日産・ルノー連合は次なる目標、“世界第三位の自動車メーカ”を目指してチャレンジしています。

 開国後の日本に英仏独の有力メーカの電気機械が押し寄せる姿を見て、「日本人の手で国産技術によって電気機械を造りたい!」と小平浪平が興した日立製作所、「毎日深夜まではた織に労苦を注ぐ母親、過酷な16時間労働を強いられた女工さんを楽にさせたい」と、自動織機を発明し改良に改良を重ねて遂に世界最高の自動織機を開発してその特許料で世界最大の自動車会社=トヨタの礎を築いた豊田佐吉、など大きな動機と世のため人のために貢献したいという尊い志が百年のときを超えてもなお引き継がれて、隆盛を誇っています。今日もなお輝いている企業は沢山あり、多くの場合、創業者の高い志と大きな動機が脈々と受け継がれているように思います。

 「すべては一人ひとりの動機からはじまる」と言われるほどに、動機は大きな力を持つのです。私たち一人ひとりが、お客様の業務に貢献し、社会に貢献し、仲間のため会社のために働くという思いを共有して、働楽グループの発展に寄与して欲しいのです。皆さんの活躍の場はどんどん広がります。ミャンマーにも現地法人を設立して事業を開始することになりました。皆さんの総意と知恵を結集して、戦略とビジョンを皆さんの力で考えられるようになって欲しいと期待しています。皆さんの動機の大きさが、世界の競合に伍して なおも力強く発展できるか否かが決まるのです。私は残された時間を成長戦略の構築と成長の可能性の種まきに注力したいと考えています。同時に、働楽グループのDNAを皆さんに引き継いで参りたいと思っています。

 ゴーン氏は、経営者、リーダに求められる資質や覚悟を次のように語っておられます。『あなたは決断を下し、その責任を取るような人なのか?! 常に一貫性があり、あなたの言葉や行動が誠実で透明なら、そしてあなたが他人の個性や違いを尊重できる人なら、きっと信頼の絆を築くことができるはずです。それは組織を有効に動かすのに必要不可欠なものです』と。
私自身もいま一度自分の心持ちを点検し、気持ちを引き締めて経営の先頭に立ちたいと思います。すでに役職者・部門リーダとして頑張っておられる方、このたび新任役職者に任用された方も、そしてこれからリーダを志す若手の方、すべての方がこの言葉から学ばれるとよいと思います。
 「働楽を成長させるのは働楽を担う皆さん自身です!」。戦略とビジョンを持って、5年後、10年後の働楽をどうしたいのか?を真剣に考えて下さい!! 皆さんの断固たる決意が周りの人を動かし、社会を動かすのです。小さい企業が大企業と競争しようとするなら、常に最高の状態を保ち、新たな課題や市場の変化に遅れをとってはならない!とゴーン氏からメッセージを戴きました。一致団結して全力で頑張りましょう。

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2014年5月