社長の思い

『元気経営の実践』 ― 不透明な時期こそ、積極性とスピードが大事

 2011年の貿易収支がついに赤字転落。数年前から減り続けていた日本の貿易収支は、東日本大震災・タイ洪水被害による生産の減少と円高などによる輸出の落込み、逆に資源高と原発停止による燃料輸入増加などによりついに貿易収支が赤字に転落した訳です。“貿易収支が赤字”ということは会社に例えれば“営業損益が赤字”ということであり、いずれ破綻ということになります。今のところ企業の海外投資から得られる利益=所得収支の黒字に支えられ、何とか経常収支が黒字に踏み止まっているという状況です。
 アメリカは製造業を中心に若干回復しているようですが、ヨーロッパの金融システム不安は依然解決の見通しが立っていません。世界経済全体が不透明、混沌としてきています。
 また政治の停滞も由々しき状態です。大局は二の次で何が自分の選挙に有利かが彼らの行動原理になっており、党利党略・足の引っ張り合いの横行で、山積する重要課題がまったく解決していません。困ったことに何時になったらこの状況が打破されるかも見通せないところに問題の根深さがあります。

 世の中、混沌としていて先行きの見通せない困難な状況にありますが、このような中にあっても経営は立ち止まることを許されません。むしろこのようなときほど元気を出して前進したいと思います。まずIT働楽研究所グループの売上目標ですが、2015年までの5年間で“2.5倍化”を達成したいと思います。確かに現下の状況においては高い目標かも知れませんが、不可能な目標ではないと思います。
 事業会社ごとに、課長職の方を中心に具体化するための予算編成を進めて戴いています。これをまず、全社員一丸となって実行して参りましょう。事業を進める中で、志ある者は上位職位を目指してマネージメント能力を磨いて戴きたいし、経営幹部のポストも沢山空いています。意欲と実行力のある方に元気良くその任に当たって欲しいと思います。
 昭和35年首相に就任した池田勇人は10年で国民所得を2倍にするという『所得倍増計画』を打ち出しましたが、これを聞いたときには子供心にも凄いことだとわくわくしたと同時に本当に実現出来るのだろうかと思いました。これを機に日本は高度経済成長を突っ走り、国際的地位は向上し、計画以上の実績を残しました。  当グループの目標は非常に高いと思いますが、昭和30年代に国民が無我夢中で頑張って所得倍増を成し遂げたように、グループ社員の皆さんが一緒に真剣に努力して戴けるならば達成可能だと思います。わくわくするような大きな目標をみんなで協力して達成すれば楽しさ倍増です。
 『決して潰れることのない会社』で、わくわく感を持って自分自身の成長を実現し、顧客と社会に貢献する姿を描いて下さい。私は企業経営の目的として『お客様から有用だと評価され立派な成果を上げること』と、『社員が立派な企業人として成長する環境を提供し続けること』の二つを上げています。後者は単に経済合理主義だけで判断するのではなく、“皆さんの幸せと社会貢献”を価値基準においているということです。
 会社も社員も元気を出して安心して前進しましょう。私は経営の姿の一つとして『社員の皆さんが輝いて仕事をして欲しい』と願って参りましたし、今もそれは変わっておりません。どうか一人ひとりがご自分の達成目標を具体的に描いて、達成するよう努力を重ねて下さい。そうすればその過程において、充実感・達成感が得られ、そして成長できること間違いなしです。真摯に努力し成果を上げるものは役職も上がり、収入も間違いなく増えるでしょう。

 しかし、時代は不透明で厳しいです。「不透明な時期こそ、積極性とスピードが大事」とエイチ・アイ・エスの澤田会長がアドバイスしてくれています。『来月やるより、今やった方がいい。成果が早く出るからだ。ダメだったらすぐ止めればいい。一番悪いのは何もやらないこと。“ピンチはチャンス”ですが、放っておいたらピンチのままです』『そもそも経営の本質は変化に対応することです。経営環境はどんどん変化しているので、判断もスピーディに変えるのは当然ですと非常に明快です。

 社員の皆さんの支持と協力が経営推進のエネルギになりますし、目標達成の必要条件です。当グループのような元気な会社が沢山でれば日本の元気にも貢献できるでしょう。一緒に頑張りましょう。

2012年1月