社長の思い

新大陸発見なるか? われらの大航海!

 今を遡ること500有余年、日本は室町時代も安定期を過ぎ将軍位を巡る争いに端を発した戦国時代に突入していた頃、ヨーロッパは七つの海の覇権をかけて われ先にと新航路開拓を競う大航海時代に突入していました。
 いち早く北アフリカへの進出を確固たるものとしたポルトガルは、さらに象牙海岸、黄金海岸へと南下を続け、ついにはアフリカ南端の喜望峰からインドへ向かう航路を発見し、マレー半島を経て中国マカオに要塞を築いて極東の拠点とし、日本へ鉄砲をもたらすことになるのです。
 これによってポルトガルは植民地化した各地の金銀鉱山権益の確保、香料などなどの交易権限を手中にし、貿易立国・海洋国家の地位を築いたのです。勿論、ここに至るまでには遭難や難破、敵からの襲撃、疫病感染に見舞われるなど、数知れない苦難との戦いが何世代にも亘って引き継がれ成し遂げられた訳です。“困難の末に最初にアフリカ南端にたどり着いた船団長ディアスはさらにインドを目指したが強風に行く手を阻まれた挙句に乗組員の反乱も起こったために発見した岬を『嵐の岬』と名づけて帰還したが、国王は間違いなくインド航路開拓の希望の岬となるという確証を得て、ここを『喜望峰』に改名したとのことです。

 一方、スペイン国王から援助を受けたコロンブスは、西回りでインドを目指すことを決意し、1492年8月一気に西進。大西洋は極端に島の少ない大洋であり、地球を平面とする旧来の考えも根強く残っていた船員の間では不安が募り、小規模な暴動が起こり、あと3日で陸地が見つからなかったら引き返すと約束し、苦労の末2ヶ月後に西インド諸島に辿り着いた話は皆さんもよくご存知の通りです。辿り着いた先はインドではなく、またそのときは金銀財宝を持ち帰れなかったものの、半世紀後のメキシコ・ペルーでの銀鉱山発見に繋がり、スペインは一躍世界最強の国家となったのです。

 同時代の日本の戦国時代は、旧勢力の没落と新勢力の興隆の時代と捉えることができ、農民・商人層の社会進出を可能とし、経済面においては農業・工業ともに技術が向上し、生産も増大、内外の流通が盛んになり、やがて倭寇が朝鮮や中国へ海外進出する時代で、 時代の変化は新しい文明・文化を開花させ、新しいエネルギが沸きあふれることを感じさせます。
 喜望峰を経てインドへ航海した最初のヨーロッパ人 バスコ・ダ・ガマ、大西洋を西回りで航海し新大陸を発見したコロンブスなど、大航海時代に多くの功績を残した人たちは、いずれも強い目的意識と指導力を持って、疫病に苦しみ、嵐と戦い、苦難の中で偉業を成し遂げた訳です。

 翻って現在に生きる我々地球住民は、迫り来る資源・エネルギの枯渇、環境破壊、爆発的人口増加と食料不足など容易に解決できない大きな問題を前にして、新たな大航海による新大陸の発見(課題解決)に乗り出していく必要があります。15、6世紀の大航海時代とは知恵も技術も格段に進歩していますので、これらをもってすれば必ずや解決が図られるものと信じております。
 当社も地球住民の一員として大海に船出をして、力量に応じて社会が抱える問題解決に貢献していくんだ、という使命感と覚悟を持つ必要があります。そして新大陸ならぬ新しい境地としてのグレートカンパニを打ちたてようではありませんか。グレートカンパニとは単に規模が大きいことを言うのではなく、
追求すべき理念・価値を共有し
社会性と収益性を両立させ
会社の一員であることに誇りが持てる企業
のことです。“どんな時代であれ、関わるすべての人たちを幸せにする存在として、永続する企業であり続ける”ことができるのです。「『嵐の岬』を喜望峰と言い換える発想力」、「地球は丸いと信じて航海に乗り出したコロンブスの行動力」が必要で、我々にも可能性は多くあると思います。
 「あと数日でまた新しい年を迎えますが、これまで培ってきた知識と経験の上に知恵の花を咲かせ、さらに大きな実を付け、成長していけるという希望を膨らませ、実行していく年にして戴くよう念願しています。我らの新大陸は意外に近くて、希望に満ちているかも知れません。新しい年をさらに力強く共に前進しましょう。

2010年12月