社長の思い

成長の限界(ローマ・クラブ『人類の危機』 レポート)を踏まえた当社の挑戦

 「地球は青かった」、 今から50年前 人類で最初に有人宇宙飛行を成し遂げたガガーリンが地球に帰還したときに発した言葉としてあまりにも有名です。「地球はみずみずしい色調にあふれて美しく、薄青色の円光にかこまれていた」と語っています。
 今、宇宙飛行を続けている野口聡一さんも同様に、宇宙から見る地球の美しさを先日、ソユーズ宇宙船からインタビューの中で語っていました。

 その美しい地球はこれからどうなっていくのでしょうか。私は子供の頃、地理が非常に好きで地理に関連する資料をあれやこれや見ていたところ、地球の可容人口(地球上にどれだけの人が住めるかという意味)は60億人程度とか、別の学者は100億人、いや130億人だとの学説があって、子供心にもこの数値に達したらどうなるのだろうかと不安感を覚えたことを記憶しています。その当時、すなわち50年前の世界の人口は30億人で、今日現在は60億人説をはるかに突破し、既に68億5千万人に達し、さらに1秒に2人以上の勢いで増加を続けています。

 また高校の社会科の授業で、マルサスの人口論の話を聞いたときも衝撃を覚えました。『人口の増加は幾何級数的であるのに対して、食物の増加は等差級数的である』、すなわち 人口増加の勢いは、食物増加の勢いよりも優勢であり、この優勢な人口増加力は、疾病、人体の衰弱、小児の栄養不良、飢餓などに繋がる、と言うものです。

 後年、ローマ・クラブ(注)から報告された『成長の限界』を読んだときは3度目の驚きでした。レポート後半の「ローマ・クラブの見解」の中から重要な点を幾つか拾ってみます。

 ①地球環境の量的限界と行き過ぎた成長による悲劇的結末を認識し、地球の大きさの有限性と、その上での人間の生存と活動の限界を考慮しなければならない。

 ②端的にいって地球システムは、もはやその住人たちの自己中心的な、かつ抗争的な行動を許すほど広大でもないし、寛大でもない。危険な方向に向かって悪化しつつある地球の状況を、早急かつ根本的に是正することが必要である。

 誰もが経済成長を願い、生活の向上を願っています。当社もやはり会社成長させたい、より質の高い仕事をしたい、より大きな利益が得られる業務を手中にしたいと、日々行動している訳です。市場経済原則の中で厳しい企業間競争を繰り広げながらのビジネス展開を強いられている一方で、『地球環境の量的限界と行き過ぎた成長』という結果を招かない範囲でビジネスを展開し、生活を営むことを求めるメッセージが投げかけられている訳です。

 しかし自虐的になる必要もなく、成長意欲を放棄する必要もありません。当社が基盤としているIT分野は軽薄短小と揶揄されるかも知れませんが、これこそ今の時代が求めている技術なのです。電話会議やTV会議を用いれば省エネ・省時間に繋がり、画面で資料を見ればコピーをしなくて済む、SCMなどに代表される需要にマッチした商品製造による合理化(効率化、無駄の排除)など、ITの効用は枚挙にいとまがありません。
 当社はまさにITを基幹事業としている訳で、アイディアをひねり出し、自信を持ってITサービスを拡大して参りましょう。本領を発揮すべきときが到来しています。業務に一層励んで参りましょう。

 新エネルギ、エコ・省エネなど時代が求めるビジネス分野は益々広がってきます。当社も社会に貢献する企業として、今立ち上げようとしているネット・ビジネスに続けて、さらなる次のビジネスとして新エネルギ、エコ・省エネ関連のビジネスを検討して参ります。量的な拡大だけでなく、これからは質の面での向上、発想の転換が重要になります。

 志と情熱が解決の扉を開いてくれることを信じて、業務に精励して参りましょう。この先10年、20年と続く会社であるか否かは、社員の皆さんの心意気と行動にかかっています。そして我々の行動が青く美しい地球生命の存続に繋がっていくのです。

 (注)ローマクラブは、イタリア・オリベッティ社の副社長で石油王としても知られるベッチェィ博士が、資源・人口・軍備拡張・経済・環境破壊などの全地球的な問題に対処するために設立した民間のシンクタンク。世界各国の科学者・経済人・教育者・各種分野の学識経験者などからなる。題記レポートは1972年に発行。

2010年2月