社長の思い

ポジションを川上にとれ!! ― 新しいことをやるという意欲とアイディアで危機を克服 ―

 「今起こっているのは不況ではなく、バブル景気の崩壊である。不況なら景気循環によって反転するが、アメリカの消費バブルに頼り、輸出で外貨を稼ぐといった輸出バブルが崩壊した今、経済構造を変えていかないと、この危機は脱出できない。」「危機脱出の鍵は“新しいことをやるという意欲と、何をやったらいいかというアイディア”。そして結果に繋げようと執念をもって思考錯誤することである」と野口悠紀雄早大教授/元大蔵省・一橋大教授は語っておられます。(日本生命・経営情報2010年1月号)

 当社はこれまで日立グループ会社をはじめとする元請企業のビジネスの中で、システムの設計・構築・運用管理や一部のソフト開発を担当するいわゆる垂直統合というビジネスモデルの中で技術を学び、成長してきました。会社初期の立上時期には大変有難い形態で、特に日立グループの良いプロジェクトの中で多くの社員が技術習得すると同時に、会社も経営基盤を確立させて戴くという恵まれた関係が構築できました。  今後も当社の中核ビジネスとしてこの関係は堅持させて戴きますが、一方で何時までも甘えてばかりいる訳にはいきません。
 ではどうするか? 自らのビジネス・コンセプトやプランを策定し、実行計画を練り、当社が全責任を持って事業を実行する いわゆる水平分業型のビジネスを展開していくと言うことです。リスクは大きくなりますが、社会的使命感をもって事業を推進することによって、より大きな達成感とリターンを得ることが可能になる訳です。自社ビジネスの中で真剣にビジネスマインドを磨き、若手社員育成の環境ができ、自立/自律への道を確立することに繋がります。
 先日のIT働楽研究塾で米倉誠一郎教授が“ポジションを常に川上にとれ”とイノベーションのお話されたことに通じるのです。イノベーションとは『発想転換力』である、『発想転換力』を養い、実践していくエネルギは高いモチベーションと使命感であると述べられました。人の能力は4倍くらいしか違わないけれど、やる気は100倍違う、やる気を奮い立たせてイノベーション能力を高めて欲しい、とエールを戴きました。

 当社は常にイノベーションを続ける会社として、事業構造や組織文化などを革新し、時代の変化に対応するエネルギのある会社にすることが、当社の持続的成長に繋がるのです。
 業務内容や業務の進め方を絶えず検証し、これでよいのか、もっと良い方法はないのかと問い掛ける訓練をすることから始めて下さい。技術書を読むとき、新聞を読むとき、当該技術やビジネスが応用できないか、あるいは改良できないかという意識で見たり考えたりするだけで楽しくなりますし、これが新発明や新ビジネスの創造に繋がってきます。余談ですが、ありふれた技術であっても新しい用途、新しい分野に応用することで新たな経済効果を生むものであれば、それは立派に特許として認められるのです。
 私は日経新聞やビジネス書などを読むときは、常に強い意識を持って、記事内容が当社のビジネスに活かせないか、新事業開発に繋げられないか、新たな顧客開拓や戦略を描く時のヒントにならないか、と関連付けて考えながら読んでいます。活かせそうな記事は必ず切り抜いてためています。
 皆さんも是非、ビジネス動向、技術動向などに興味を持って、情報を消化し、そこから自分自身、担当業務、会社の改革・発展に繋がるヒントを得て、提案をして下さい。全員がイノベーションの意識を高めて欲しい、と願っています。

 米倉教授の「ポジションを常に川上にとれ」という言葉と、野口教授の「垂直統合から水平分業へ」とは全く同じ意味です。どこの川上にポジションをとるのか、どの分野で当社の独自性を発揮するか、全員で目を皿のようにして発掘し、ケーススタディを繰り返し、チャレンジしていきましょう。
 1年後には幾つかの新しいビジネスの芽が出て、あるものは当社事業の新しい柱になるような情景にして欲しいものです。180人の頭、360の耳と目をフル動員して戴ければ、大きなうねりになり、エネルギ-になると思います。

 厳しい状況が続きますが、“我々は常に川上にポジションを取るという意識”を強く持って、“新しいことをやるという意欲と、何をやったらいいかというアイディア”を創出できるイノベーション能力を磨いて、困難な状況から脱出しましょう。我々には今、次のステージを目指す時と目指せるだけの力が与えられているのです。頑張りましょう。

2010年1月