社長の思い

社員の皆さん! 『隣百姓』意識から卒業しましょう!!

 私の出身地は、平成の大合併で現在は山口県宇部市を名乗ってはいますが、実際には宇部中心部と秋吉台/秋芳洞のちょうど中間地点の今は過疎の村のようなところです。農繁期には、村の小・中・高が一斉に麦刈り休み、田植え休み、そして秋には稲刈り休みに入り、村中が農作業に勤しむといった大変のどかな風景が昔はありました。
 農繁期以外でも学校から帰ると、農作業などの手伝いは良くしたという記憶があります。その作業の合間に長州の明治生れの母が語っていた『隣百姓(となりびゃくしょう)』の喩えを今、鮮明に思い出します。

 『隣百姓』とは、隣の家が種蒔きをしたら自分の家も種を蒔き、隣が肥料をやれば同じように肥料をやるといった具合に、隣の家に倣って物事を行うことを言います。隣の家は実は早稲の種で、自分の家の種は晩稲(おくて)という違いがあるかも知れません。肥料やりや手入れは生育状況を良く見て実施すべきもので、農作業はタイミングや状況の的確な判断が大事なのですが、何も考えないでやれば必ずしも良い結果は生みません。私は母から、『隣百姓』のたとえ話を通じて、やろうとしていることの実体や本質をしっかり捉え、状況を的確に見極めることの重要性を教えられたように思います。

 我々ビジネスの世界でも、“他社がやっているから”、“前もこうしたから”というような「横並び意識」、「前例重視」や「事なかれ主義」が、自由闊達で健全な成長を阻害することは明らかです。  経済が右肩上がりの時には、このような問題も大きくクローズアップされることは少ないかも知れませんが、現下のように厳しい状況の中では、選ばれる会社、選ばれる個人にはなり得ず、淘汰されることは必定といわざるを得ません。
 『隣百姓』の姿勢では、従事しているプロジェクトから負の選択をされ、会社は荒波に翻弄され、崩壊の憂き目に立たされることになってしまいます。

 社員の皆さん、『隣百姓』意識から一日も早く卒業して、主体的に行動できる社員、自立した社会人に成って欲しいものです。当該プロジェクトで良い評判を得られている人は更に磨きを掛けて一流と呼ばれる人になって戴きたい、そうでない方は寸暇を惜しんで技術力を高めて下さることを期待しています。心を磨き、目標に向けて粘り強く行動する人になりましょう。「なんとしても」、「絶対に」という思いを強く持ち続けて下さるようにお願いします。

 年頭の挨拶の中でも今回の不況は相当期間続くことを覚悟せざるを得ないことを述べました。政府の1月月例経済報告は、ついに景気は“急速に悪化している”との基調判断を示しました。
 日本時間で今朝(1/21)未明にオバマ米新大統領が誕生しました。アメリカ国民のみならず、全世界がオバマ大統領による巨額の積極財政出動により、早期に回復軌道に載って欲しいとの願望を抱いています。非常に格調の高い大統領就任演説だったと思いますし、アメリカ国民が奮い立って再生の道を突き進んで欲しいと願っております。しかし、V字回復の可能性は極小で、“数ヶ月では景気は好転せず”という日本政府の見解より実態はさらに悪いと覚悟せざるを得ないでしょう。

 我々はその間、耐え抜かなければなりませんし、危機をチャンスとするための準備と研鑽を積む必要があります。ラインで働いて戴いている方には前述の努力をして下さい。チーム力を磨いて、個々人の力に加えて課長・リーダ中心に組織で戦えるように取組んで下さい。
 本社では官公庁入札、新事業の立上げに全力で取組んで戴いています。先週は環境省のソフト受託案件を開発本部が落札しました。経営企画室とシステム本部・基盤Gが連携して外務省・海外システム構築プロジェクトや他の入札業務を精力的に進めています。併せて、当社独自のソリューション・ビジネスの検討、海外ITサービス事業の具体化などを進めています。  これらを推進するに当たって大事なことは、本稿の主題である『隣百姓』の意識を捨て、心のこもった選ばれる対応をすることが最重要です。「横並び意識」、「前例主義」や「事なかれ主義」に陥ることなく、はつらつたる対応をすることを全員で誓い合いたいと思います。
 社員の皆さん、『隣百姓』意識を卒業して、“活力と連帯感”に満ちた自由闊達な企業風土を作り上げていきましょう。誰も経験したことのない深刻な不況、会社存亡の危機に立たされていますが、萎縮することなく、今日現在をしっかり生き抜きましょう。誰一人として甘えの気持ちを持つことなく、自己革新と組織改革に努めることをお願いします。

2009年1月