社長の思い

プロフェッショナルはいつも顧客を優先に考え、最高の価値を届けなければならない

 アメリカを代表する大手証券・銀行・生命保険会社の破綻、政府による救済、吸収合併・再編などアメリカの金融システムの危機的状況が相次いで報じられています。年収300万円の人に1億円を貸し込むという金融機関と借金体質の国民、貿易赤字、財政赤字を抱えるアメリカがいつまで持つのか、と日頃から不思議に思っていましたので、最初の段階ではついに来るものがきたという感じで受け止めていましたが、ここまで奥深く蝕まれていたとはさすがに大きな驚きです。金融工学とやらを振りかざして、サブプライムローンという毒を含んだ債権を見栄えの良いものに混ぜて厚化粧した証券として世界中にばら撒いたことは許せませんし、6,200兆円に上る金融大量破壊兵器と呼ばれるCDS(Credit Default Swap)は次の時限爆弾として世界の金融システムを危機的状況に晒していることには憤りを覚えます。
 アメリカが元気を回復するまでには数年が必要、ヨーロッパも傷ついている、それらに曳きずられる形で日本やアジア諸国経済も大きな影響を受ける、という深刻な状況にあることを我々はまず認識する必要があります。当社を取り巻く経営環境も厳しさを増すのは必然です。
 この危機が和らいだとしても、世界の新しい経済システムと秩序とが再構築されるまでは混沌とした不透明な時代が続く、これが普通なのだと覚悟して賢明に、そして一生懸命に生き抜くことが必要です。

 非常に厳しい状況が到来しますが、しかし世界中の人々がいなくなる訳でありませんし、人々が存在する以上そこにはニーズはあり続けます。ITのニーズがなくなることはありません。ニーズに的確に対応することがビジネスを成功に導くための必要条件であり、事業を構想する力が十分条件となります。
 タイトルに掲げた言葉は大前研一氏著書『ザ・プロフェッショナル』から引用させて戴いたものです。当社の企業理念にも相通ずるところがあると思っていますし、気持ちを奮い立たせてことに当たりたいと思っております。今後、我々が心しておかなければならない事柄を、同書の中から幾つか紹介させて戴きます。
 『知的怠慢』を排せ!』 知的怠慢とは、自らの成長を放棄することです。知的好奇心が中途半端な人、すなわち知的に怠惰な人は自己防衛的で、変化に後ろ向きです。知的怠慢の悪影響は社内だけに留まりません。このような人たちが増えていけば、組織は活力を失い、やがて立ち行かなくなります。
 『妥協』の二文字は厳禁! 妥協とは自分の都合であって、顧客の都合は勿論、ビジネス・パートナなどの都合も一方的に無視する、甘えた態度です。
 『洞察力と厳格な規律』 見えないものを見る力、構想力、分析する力、インテグレート(統合)する力、そして何よりも21世紀経済に対する理解と洞察力が必要です。専門性の高い知識とスキル、高い倫理性はもとより、例外なき顧客第一主義、あくなき好奇心と向上心、これらがプロフェッショナルとして持つべき条件です。厳格な規律の確立が必要です。
 『議論する力』 頼りになるのは自分の頭しかありません。それが上手く機能しなかったら、何人かで「一つの頭」となるべく大いに議論しなくてはなりません。『思考のフル回転と強固な信念が道を開く』 どんなに難しい問題であっても、解に達する道は必ず存在します。

 これから本当に厳しい時代が到来します。既に当社が担当している金融系のプロジェクト縮小の要請が出てきています。怠慢、怠惰、妥協を排し、環境が変わってもすぐに対応していくだけの本物の力を持つプロフェッショナル集団への変貌を遂げる努力をしましょう。規律と統制のとれた強い組織を実現したいと思っております。このような逆風こそが我々の組織を鍛え、強くし、そしてその先の“活力と連帯感に満ちた強い会社の実現”へ繋がるものと信じて疑いません。強い信念をもって立ち向かいましょう。

2008年9月